理学療法士の学生時代を今思い出すと、学生という自由な時間が多い時期にもっと沢山のアルバイトをやって、貯めたお金でどんどん海外を旅行すれば良かったなと思います。
人の身体をリハビリする仕事は、非常に沢山の知識が必要です。高校時代あまり勉強していなかったということもあったので、大学に入ってから心を入れ替えて勉強するようになりました。それは社会人になってからも同じでした。
しかし、いざ社会に出たら色々と考えが変りました。確かに身体の勉強は必要ですが、知識や技術だけではダメなんです。それ以上に大切なことがあるのです。
今回はそんな経験から理学療法士の学生が免許を取得する前に知っておきたい3つのマインドセットをお伝えします。
学生であるあなたのゴールは学校の卒業ではなく、患者様への最良のリハビリだ!
リハビリを行う上で、治療のゴールを設定します。この目標やゴールがあるからこそある程度の治療の見通しができます。患者様もリハビリを頑張ろう!と意欲的になります。
学生であるあなたは今後の目標を持っているでしょうか?
学校で教わることはあくまでも基礎となります。また国家試験を合格して理学療法士免許取得がゴールになっております。それを頭の片隅に置いておかなければいけません。
理学療法士になる上で、卒業してからが本当のスタートラインです。そこから勉強を積み重ねていくことが大切になります。もし学生であるあなたのゴールが国家試験で合格することであるのなら、それは改めなければなりません。
国家試験に受かることはあくまでも通過点であり、あなたのゴールではありません。目指すべきことはより多くの患者様をリハビリし、改善させていくことなのです。
箱の壁を壊す準備をしよう!
患者様をリハビリするにあたって、なにが一番重要でしょうか。治療技術?それとも知識?
実は「信頼関係を築くスキル」が一番大事なんです。
私たちの世界は色々な箱で囲まれています。例えば、日本という箱、東京という箱など。理学療法士で言えば、「日本」という箱の中の「医療」という箱の中に理学療法士のリハビリが位置付けられています。
実はこの箱の中にいる時はとても居心地が良いものです。なぜなら、同じ境遇で同じことをしているので、安心感を持てます。しかし、私たちが対応する大半の方々は「医療」という箱の「外」から来る人です。
私が病院で勤めていた時、ある違和感を感じていました。それは「医療」という箱の中しか知らない理学療法士が「医療」という箱の外から来る人を対応するには箱の外の状態を知らなすぎているという事です。確かに医学的な知識は患者様よりも持っていますが、社会的なモラルが若干欠落している人がいらっしゃいます。
患者様をリハビリするにあたって、コミュニケーションを取るのがなによりも最優先な事です。いかにコミュニケーションをとって信頼関係を築くかが後の治療に関わってきます。どんなに頭が良かろうが、治療技術があろうが、この信頼関係がなければただの理学療法士のエゴとなってしまいます。
では、どのようにこの箱の壁を壊していけば良いのでしょうか?これは非常に簡単です。壁に穴を空け、脆く崩れやすくしておけばいいのです。
具体的な方法としてアルバイトを積極的に行っていくのがオススメです。あえて、医療とは違うジャンルのアルバイトを行なっていけば、少なからず「医療」という箱の外の状態がわかります。就職してしまえば、自ずと「医療」という箱の中に入ってしまいますからね。これが出来るのは学生時代だけなのです。
私の経験上、学生の内にこのように他業種のアルバイトを行なってコミュニケーションのトレーニングを積んでいる人ほど、患者様との信頼関係が上手に築ける傾向があります。
学生という膨大な時間があるうちにコミュニケーションのトレーニングを行い、「医療」という箱の壁に穴を開ける作業を積極的に行なっていきましょう!
斜めに走った方が理学療法士としてのあなたの可能性だけでなく、あなた自身の可能性も広がる!
卒業したらいよいよ医療という世界に足を踏み入れることになります。患者様のリハビリの為に、全力で勉強していかれる事と思います。そのように医学の道をひたすらまっすぐと走って行かれる事は非常に良い事です。
ですが、「海外の人向けへ勉強会を行う」「斬新なボランティアを行う」など、斜めに走る事を行なっていっても良いと思います。「医療」という箱の中で斜めに走れば、まっすぐ歩いた人とぶつかり摩擦が生じてしまいます。それは非常に辛い事ですがあなたの良い経験になるはずです。
いずれにせよまっすぐ走ろうが、斜めに走ろうがいつかは箱の壁にぶつかってしまいます。そこで壁にぶつかって倒れてしまうのか、その壁をぶち破っていけるのかは学生時代に壁に穴を開ける作業をしていたかどうかで変わってきます。
ぶつかって倒れてしまえば、理学療法士の仕事に不平不満を訴えるだけの人になってしまいます。
しかし、小さいな穴さえ空いていれば、その壁を壊して新たな世界が目の前に広がる可能性があります。
この記事を書いている私も、病院と理学療法士を辞め、地域の健康増進の目的で整体業を立ち上げ他の理学療法士の方々とはすこし違う生き方をしています。それだけでなく、ネットの知識も皆無の状態でサイト運営も始めました。
そのように常に斜めに走り続け、壁にぶつかって気を倒れないように突き進んでおります。
不思議なもので、なにかともがいていると全く畑違いの人と知り合うことになります。それが自分の可能性を広げることになるのです。
その例として、ムサシノウェブを運営されている中村様に出会い、その3ヶ月後には私が運営するサイトの閲覧数が12万を超え、さらにはこのHINATTAというサイトも立ち上げるまでに至りました。
正直その早さに驚きが隠せないです。
きっと箱の壁を壊していくと自分の可能性が加速的に広がっていくのだと思います。
人には色んな可能性があります。理学療法士であるのなら、医療の道を極め続けていくのが使命です。
先程も申し上げたのですが、いずれにせよ「医療」という箱の壁にいつかさぶつかる事になります。
その時にその壁を壊していけるか、もしくはその壁にぶつかって倒れてしまうかは、学生であるあなたの現在の取り組みがその鍵を握っています。
ぜひ学生という人生の中で1番時間にゆとりがある時期に、勉強以外の沢山の取り組みに精を出していかれる事を心から願います。