マネーリテラシー

お勉強を好きになりすぎて、技術や人とのつながりを疎かにしていないかい?

手に持っているスマホやパソコンを一度置いて考えて欲しい。理学療法士として、またはその他の職業の人も同様に仕事のスキルを高めようとして、ただ単にお勉強好きにはなっていないだろうか?

理学療法士の方と接する機会が多いのだが、このような技術を知っている。もしくは今度はこのような学術を勉強したという事をよく耳にする。また広告などでは理学療法士向けに『簡単に最新の技術を修得しませんか?』のようなものまで目にする事がある。

「人を助けたい」が故に勉強に対する意欲が強い理学療法士にとっては新たに知識を手にするということは非常にエキサイティングで楽しいことである。だが、第3者の目からするとそれだけでは単なるお勉強好きにしか見えない。

今回はそんなお勉強好きな理学療法士に知っていただきたい仕事の考え方を綴っていく。

お勉強好きは仕事ができない!?

理学療法士にとって仕事とは何であろうか?法律としては、

身体に障害のある者に対し、主としてその 基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺 激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

参考:理学療法士及び作業療法士法

身体の障害のある者が対象である為、その方が有している病態についての「知識」や「分析力」が問われてくる。また物理的な手段を加えるという事から、「技術」に関する能力も必要になってくる。そして対象者は『人間』であるのでその人と「ラポールを形成するための能力」も必要になってくる。

しかし、なぜか多くの方は「知識」の部分に特化して勉強をしたがってしまう。

このような記事があったのでご紹介をする。『なぜ「お勉強」好きな人は仕事ができないのか』という記事だ。こちらの記事内に「勉強の5段階」について解説してあるので引用してご紹介をする。

(1)知識習得段階

「枠組みの決まっている体系化された知識、ノウハウを習得するために努力する」段階。

引用:なぜ「お勉強」好きな人は仕事ができないのか

(2)問題解決段階

既存の体系的な枠組みの中から、「問題解決に適切な思考認識・行動パターンを探索、抽出し(勉強し)、それを問題解決に活用しようとする」段階。

引用:なぜ「お勉強」好きな人は仕事ができないのか

(3)視野拡大段階

(2)で既存の枠組みの中に十分に有効な手だてが発見できない場合、「他の知識体系や領域の中にヒントを探す活動(勉強)をする」段階。

引用:なぜ「お勉強」好きな人は仕事ができないのか

(4)検証適用段階

(3)の中で有望なヒントや事象を見つけた場合、それがどのような歴史的背景のなかでどう生成され、現在、他の要素との関係においてどう機能しているかを学習、理解した上で、「自分の問題解決にどのように応用できるかをシミュレーション(勉強)し、適用を遂行することを習慣としている」段階。

引用:なぜ「お勉強」好きな人は仕事ができないのか

(5)越境変容段階

「((3)(4)で関わった)自分にとっての新しい領域を深く学ぶべく格闘し、自分が変わっていく」(勉強)段階。

引用:なぜ「お勉強」好きな人は仕事ができないのか

多くの理学療法士は(1)の段階をしっかり行い、その次の(2)の段階を中途半端にした上で、(3)に飛びついてしまうような方が多い。

簡単に言えば、理論は知識としてしっかり勉強する。しかしそれを問題解決するために深掘りをしきれていない。そして結果が出ないので、新しい理論に飛びついてしまう。つまりはお勉強の(1)の段階ににとどまり、その次のステップにいるように見せているだけである。そして、(4)や(5)の段階には移行する事が出来ない。そのような方々は多いのではないのでしょうか?(4)の段階にきてようやく安心して仕事を任せられると『なぜ「お勉強」好きな人は仕事ができないのか』の著者は述べている。

終わりに

理学療法士として多くの知識を学ぶことは非常に大切である。しかし患者様の身体に触る者の身としては、知識だけでは駄目である。やはり、技術の部分も必須となる。この技術の部分は一朝一夕で身につくわけがない。大工のカンナ削りが短時間でできるようにはならないのと同じである。これはコミュニケーションの能力においても同様だ。

知識を得たら、それを深堀しそれが実現する技術をひたすら練習をして身につけなければいけない。同時進行でコミュニケーションに関する能力も高めていかなければならない。この知識が適用されないから別のやつを学んでいこう!という右往左往とした状態を続けてはいけない。そして「簡単に」修得できる技術などこの業界には存在はしない。『技術』とは長年積み重ねて培っていくものだから。「勉強の5段階」の(4)や(5)の段階に多くの人がたどり着き、不満のない業界へとなってもらいたいのが切なる願いだ。

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